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2007年12月21日金曜日

メルマガ編集後記【No.0014】

今回のメルマガの結論に対する補足をしておきます。


【例:前編】

小さな男の子が、お母さんに連れられて公園にやってきました。

その子は、友達と滑り台で楽しく遊びはじめました。

ところが、滑り台でつまずいて転げ落ちて しまいました。

その子は泣きながら戻ってきて、「痛いよぉ~、もう、滑り台なんか、絶対にしない!」と言っています。

母親は、その子を見て「怪我が無くて 良かった」とひと安心。

でも、その子は全く泣きやむ気配がありません。

他の友達たちは、そんな事はお構いなしに、楽しそうに、滑り台で遊んでいます。

母親 は、「怪我が無くてよかったまた、友達と仲間に入って、滑り台で遊べるようにしてあげたい」と思っています。


【例:後編】

子供は、安心な気持ちになって、みんなのところに走り出しました。

そして、また、みんなと楽しそうに滑り台で遊びはじめたのです。

よかった!母親はホッとしました。



前編と後編の間で、母親は泣きじゃくるその子とどのように関わったら良いと思いますか?

いろいろなパターンが考えられると思いますが、概ね次のような対応をすれば、子供の気持ちは安心になって、親がどうこう言わなくても、自分から勝手に楽しい雰囲気の方に吸い込まれていくのだろうと思います。


■「痛いね、痛いね、もう滑り台なんかしたくないよね」という感じで、その時の子供の嫌な気持ちに、子供が納得するまで慌てずに寄り添う。また、合わせてスキンシップによって安心感も与える。


そうすると、このとき、子供は、「辛い気持ちは一人で我慢しなくても良い。辛いとき、優しくしてもらえたら大丈夫な気持ちになれる」ということを学ぶことができるのだろうと思います。


ところが、次のような対応をすると、学ぶことは180度変わってしまいます。


■大した怪我じゃないから、大丈夫だよ。みんなと遊んでおいで。

■男の子がそんなことぐらいで泣くものじゃないよ。

■お前は強い子だよね。大丈夫だよね。

■ほら、みんな楽しそうに遊んでるよ。お前も一緒に遊んでおいで。

■今のは、たま失敗しただけだよ。お前は上手にできるから大丈夫だよ。


これらは、言う側にそんなつもりはなくても、「辛さを感じないようにしなさい」ということを言っています。

ですから、いくら気をつけて優しく声をかけたとしても、子供は辛い気持ちを支えてもらえず、自分ひとりで耐えなければならなくなります。

そして、子供は、『辛い気持ちになってしまったら、自分ひとりで耐えないとしょうがない』ということを学びます。


『辛い気持ちを一人で我慢する』ということは、子供にとっては、滑り台で痛い思いをするよりも辛いことなのです。


しかし、このようなとき、子供は、ほとんどの場合、

1.滑り台で転んで痛い
2.痛さを自分ひとりで我慢しなければならないのはとても辛い。

という2つのことによって自分が苦しい気持ちになっていると認識することはできません。

そして、意識している原因と結果を直線的に結び付けて、「滑り台は転ぶから辛い」と考えるようになるのです。


繰り返しますが、本当につらいことは、「自分一人でつらさに耐える」ことなのです。

このような「つらさに耐えて乗り越える」という経験の積み重ねによって、次のような信念を持つような苦しみの人生へと送り出されていくことになります。

■つらい時は、感情を麻痺させ、感じないようにするしかない。(強い心になる、ポジティブ思考、みんな苦しいのだから・・・、普通のことだから・・・)

■辛さの原因は排除するしかない。(ストーカー的行動、他人を変えようとする(責める)、人間関係を切る、いじめる、訴える、クレームを言わずにはいられない)

■辛さの原因となった事象は避けるしかない。(恐怖症的反応)

■つらくならないよう良い出来事ばかりが起こるように努力するしかない。(のんびり休むことができない、やたら新しい事に取り組む、三日坊主、良い出来事のための努力を惜しまない)

■つらさは結局自分ひとりで解決するしかない。(引きこもり、うつ、いじめられる)



そうやって、頑張ってらいられるうちはいいのですが、嫌な気持ちを解決することなく、他のことでごまかし続けていると、原因の分からないモヤモヤや苦しみのような感覚をいつも心に感じるようになってしまいます。


そこで、次に、

■苦しみの原因として相応しいものを、無理矢理に見つけ出し、その解決に取り組むようになる(コンプレックスや問題行動などの)

■じっとしていると嫌な感覚を感じてしまうので、ひたすら何かに打ち込むようになる。(仕事、勉強、気分転換や趣味などに没頭する)


それでも、感情や感覚を無視して頑張っていると、心身ともに疲れてしまい

■心身のバランスが崩れ、身体症状が現れる

■無気力になる(うつ状態になる)

ざっくりいうと、そんな経緯をたどるような気がしています。


このとき、上記のどのような症状や状態にあるのかということは、意識の方向性が違うということだけのことですから、大して重要な事ではありません。

ただ、「辛い気持ちは一人で我慢しなくても良い。

辛いとき、優しくしてもらえたら大丈夫な気持ちになれる」ということを知らない、或いは、信じられないだけなのです。


ですから、それを信じ、実践していくだけで、心は晴れてきます。


すみません、うまく補足説明ができたかどうかわかりませんが、何か参考になる部分があることを願っています。

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