【前回のポイント】
特に感情的になる必要がないのに感情的に反応してしまう理由
特に感情的になる必要がないのに感情的に反応してしまう理由
- 子供の頃に親から感情的に責められることが多かった状況に似た雰囲気を感じ取ったとき、想定される相手からの感情的な攻撃を防御するために、自分の方が先に感情的に攻撃を仕掛ける
【補足】
前回の説明では、子供の頃の家庭での親子関係に焦点を当てて説明を試みました。
もちろん、子供の頃に、長期間に渡って逃れられないような状態の中で、親以外からの感情的な攻撃を繰り返し経験していた場合、それが影響している可能性もあります。
ただ、子供にとって「長期間に渡って逃れられないような状況」が起こることは稀ですし、そのような体験があったとしても、親が子供の『心を回復する機能』が機能するように対処していれば、後々にまで、影響が残ってしまうことを防げると考えています。
ですから、もし、前回の説明のようなやりとりが、家庭の中でなかったとしたら、心の苦しさの原因の焦点は、子供の『心を回復する機能』が旨く機能しない状況が家庭にあったためだと推測しても良いのだろうと考えています。
『心を回復する機能』を活性化させるためのポイントは、次の カウンセラーじゅんさんのコンテンツ紹介ブログ の Lesson 1 ~ Lesson 8 を参考にして下さい。
ということで、前回の投稿では感情的な反応の意味を説明しましたが、今回は、感情的な反応のトリガー(引き金)についての一つの解釈を説明したいと思います。前回の説明では、子供の頃の家庭での親子関係に焦点を当てて説明を試みました。
もちろん、子供の頃に、長期間に渡って逃れられないような状態の中で、親以外からの感情的な攻撃を繰り返し経験していた場合、それが影響している可能性もあります。
ただ、子供にとって「長期間に渡って逃れられないような状況」が起こることは稀ですし、そのような体験があったとしても、親が子供の『心を回復する機能』が機能するように対処していれば、後々にまで、影響が残ってしまうことを防げると考えています。
ですから、もし、前回の説明のようなやりとりが、家庭の中でなかったとしたら、心の苦しさの原因の焦点は、子供の『心を回復する機能』が旨く機能しない状況が家庭にあったためだと推測しても良いのだろうと考えています。
『心を回復する機能』を活性化させるためのポイントは、次の カウンセラーじゅんさんのコンテンツ紹介ブログ の Lesson 1 ~ Lesson 8 を参考にして下さい。
タイトルには幻の声と書きましたが幻聴とは少し違います。
例で説明します。
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【例 : 親切にされると腹が立つ 】
前回の投稿で、私は「お先にどうぞ!」と先を譲ってもらうと、「自分のしたいようにするから、構わないで欲しい!」と腹が立つことがあったと説明しました。
普通の考え方では、このような自分の反応をうまく説明できません。
「お先にどうぞ!」という相手の言葉や口調、相手の表情には、自分に対する優しさがあふれていることは、客観的には認識できています。
また、「普通ならこれは、腹を立てるような状況ではない」と頭でも理解できています。
このように状況を正しく理解できているからこそ、逆に、「自分は原因不明の反応をしている」と理解するしかなくなってしまうのです。
原因不明だと理解すれば、「優しくされたときに腹を立てたくない」と望んでも、そのような自分に変わることはできません。
昔の私には、「自分は、親切にしてもらっても、それに感謝できない変な人間なんだ」と結論付けることが思考の限界でした。
そして、自分を変な人間だと責め、自分の心を自分自身が痛めつけていたのです。
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ここで、次のように考えてみると、理解が変わってきます。
- 「耳に聞こえている言葉 や 頭で理解している言葉」 と、心が受け取る言葉 が違う
これらの言葉は、普通は一致しているものなのですが、食い違いが生じていることがあるのです。
この例では、具体的には次のような感じになります。
- 耳に聞こえ、頭で理解していた言葉 :
「お先にどうぞ」 - 幻の声(心が受け取る別の言葉) :
「自分では何も出来ないのだから、何も考えずに、言った通りにしろ!」
無意識のところで「相手から責められている」と感じ、そして、心はダメージを受けていたのです。
また、そんな自分の反応を変えようとすると、その理由が分からないので、先に説明したように、自分を責めて苦しい気持ちになりがちです。
しかも、他人から優しくされなければされないで、「自分は大切にされていない」と心はダメージを受けてしまいます。
つまり、どちらに転んでも、心にダメージを受けてしまう心理状態になっていたのです。
このように、「耳に聞こえている言葉 や 頭で理解している言葉」 と 「心が受け取っている言葉」 の間にギャップ(食い違い)があるときに心は苦しくなってしまうと考えることができます。
このとき、一番厄介なことが、
- 自分の心で起こっていることを理解しようと、言葉のやり取りをじっくり振り返ってみても、客観的な事実を自分に分からせようと頑張ってみても、多くの場合、幻の声(心が受け取っている別の言葉)には気付くことができない
幻の声のことを知らなければ、
- まさか自分が、自分の耳にはっきりと聞こえた言葉を、その言葉の意味を考えたときに自分の頭に浮かぶ意味とは異なる意味として、自分の心が受け取っている
自分が反応している本当の言葉に気付いていなければ、心を楽にするための道筋が見えてこないのは当然のことです。
しかし、逆に、幻の声に気付きさえすれば、自分の反応の理由が理解できるようになります。
そして、「自分は正常ではない性格なんだ」といった風に、自分自身を切り捨てることから解放され、自分の心を楽にする方法を探して進めるようになるのです。
また、心は、幻の声を、言葉以外のことからも受け取ってしまいます。
前回投稿の例で説明した「相手の言っていることが聞こえないと腹が立つ」というのは、『聞こえない』という状況が幻の声を生みだします。
- 相手の話が聞こえない。(相手の言っていることが理解できない)
- 人の話しちゃんと聞いてるのかぁっ!!
普通、幻の声は具体的な言葉ではなく漠然とした感覚として感じますので、それを言語化するのは難しいところがあります。
そんなときは、子供の頃の同じような場面を思い出してみると、現在の自分が感じていることを言語化する助けになります。
最後に、いくつか例を挙げておきます。
これは、私の体験に基づいていますので、読まれた方にピッタリあてはまることはないと思いますが、参考にはして頂けると思います。
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【例】
[文字色の説明]
・青字:トリガーとなる状況・言葉
・赤字:幻の声
(幻の声の背景となる子供の頃の状況を、軽く想像しながら読んでみて下さい。)
・緑字:陥りがちな状況
- ○○するの?
- ○○するな!
- このように指摘されると、やりたいと思っていたことでも、それをやりたくなくなる。逆に、やりたくなかったことでも、相手に逆らうためにやってしまう。
- ○○しないの?
- ○○しなさい!
- このように指摘されると、やりたくないと思っていたことでも、ついそれをやってしまう。逆に、やりたかったことでも、相手に逆らうために止めてしまう。
※『あまのじゃく』と呼ばれる反応の正体は、このようなことだと思います。
- 何もしていない状態
- ボーっとするな!しないといけないことがあるだろ!
- ゆっくり休めばいいのに、何かしなければならないことを探して出してやろうとしてしまう。また、やらなければならないことが見つからないと、それを見つけられない自分を責めてしまう。
- 自分のしたいことをしている
- そんなことしてるんじゃない!他にしないといけない、もっと大事なことがあるだろ!
- 自分にとって楽しいことを楽しめない。直ぐに実現できることでもお預けにして、夢に仲間入りさせてしまう。
- 何かをしようとする。
- そんなことをして何の意味があるのか!
- 何かをしなければならないと思うわりに、何も始められないので、「何かをしなければならない」という気持ちだけが空回りすることから抜け出せない。
- 何かを人に手伝って欲しいと思う
- やっぱり、お前は、自分ひとりでは何も出来ないんだ!
- 他人に協力してもらうことが出来ない。実際に「手伝ってあげる」と言ってくれる人が目の前に居ても、手伝ってもらうことが出来ず、色々なことを自分一人で抱え込んでしまう。
- 何かに失敗する
- やっぱりお前は自分では何もできない。失敗をお前に解決できるはずないんだから、引っこんでろ!
- 何か失敗したとき、そのリカバリーに自分が手を出してはいけないように感じてしまう。自分で考えて行動したことを、「やっぱり、やらなければ良かった…」などと反省してしまう。
- 一緒に居る相手がつまらないことで笑っている
- お前はこれが面白くないのか!
- 自分が面白いと思っていなくても、とりあえず笑ってしまう。そして、それを面白いと思わない自分を責めてしまう。
- 目の前でつらそうにしている
- 私が(お前の為に)こんなに頑張ってるのに、お前は楽でいいな!
- 相手に申し訳ない気持ちになる。自分が相手を楽にしなければならないと感じてしまう。「何かしろ!」と責められているように感じてイライラする。
まだまだ、ありそうなのですが、このくらいにしておきます。
(このように洗い出してみると、私の場合は、言葉よりも、状況に結びついていることが多いようです。)
子供の頃、これらの例の赤字のように日常的に責められたため、それが残像となって、現在も尚、幻の声を生みだし続けていたのです。
今から振り返れば、こんな日常があった子供時代は、とても苦しかったと理解できます。また、成長した後も、こんな幻の声を日常的に感じていたら、苦しい気持ちになるのも無理はないと思えます。
しかし、それは永遠に続く苦しみではありません。
その幻の声に気付き、その背景を理解できれば、幻の声は現在から分離しはじめ、やがて目の前の現実から消えていくのです。
そんな作業の中で、もし、つらい気持ちが蘇ってきたら、みなさんも持っている『心を回復する機能』を活用して、心を回復させてあげることをお忘れなく!(^_-)
【お願い】
「幻の声(心が受け取る別の言葉)のトリガーとなる言葉や状況」、「幻の声が語る具体的な言葉」、「幻の声に対する反応」は、生まれ育った家庭環境や経験の違いによって様々です。
もし、ご自身が受け取っていた幻の声に気付かれたら、みなさんと共有して頂けませんか?
コメントをお待ちしています。
次回は、催眠ということに関連付けて説明してみたいと思っています。
「幻の声(心が受け取る別の言葉)のトリガーとなる言葉や状況」、「幻の声が語る具体的な言葉」、「幻の声に対する反応」は、生まれ育った家庭環境や経験の違いによって様々です。
もし、ご自身が受け取っていた幻の声に気付かれたら、みなさんと共有して頂けませんか?
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